緑内障とはどんな病気

現在日本の失明原因の1位で、進行性の視神経の病気です。

眼球の圧(硬さ)を眼圧と呼びます。慢性の緑内障は眼圧が高いかもしくは高いと神経が感じて視神経が痛むことでおこります。
視神経繊維の走行に沿って痛んでいる部分の視野が徐々に欠損していきます。

視野欠損は早期では気付きにくく検診や他の疾患で眼科を受診した際に指摘されることがほとんどです。
眼圧が急に高くなる急性緑内障発作は高齢者に多く頻度は少ないですが急激に発症して2~3日で失明してしまうことがあるので注意が必要です。

緑内障の症状

初期の緑内障の場合自覚症状はほとんどありません。
視野の一部分が欠ける、見えにくい部分があるといった症状に気付いた時にはある程度進行してしまっていて元には戻れません。

特に片眼のみ先に進行している場合は進行していない方の目で見ていて気付かないことが多いです。
検診などで指摘され視野検査をして初めて見えていないことに気付きます。

急激に眼圧が上昇した場合は目の痛み、充血、かすみを感じ頭痛や吐き気を伴うことがありますので急性緑内障発作の場合はすぐに気付くと思いますが、慢性的に若干眼圧が高い方や眼圧自体が正常値の方は緑内障であることに気付きにくいと思います。

緑内障の原因

日本人では40才以上の20人に1人が緑内障であるとされています。
近視の方や近親者に緑内障の方がいるといったリスクもありますが多くはこれといった原因なく気付かないうちに進行してしまいます。

急性緑内障発作は進行した白内障や目の構造異常でおこります。
続発性にはぶどう膜炎や外傷、ステロイド剤の使用、糖尿病などで眼圧が高くなって発症することがあります。

緑内障の検査と診断

眼圧の測定をします。正常で概ね10~20mmHgとされています。但し眼圧が正常の範囲内でも視神経が障害されて視野に異常があれば正常眼圧緑内障と診断されます。

視神経の状態を眼底検査とOCT(三次元画像解析装置)で検査して異常があれば視野(中心から上下左右30°の範囲の見え方)を調べます。
視神経の障害されている部分と視野の異常が一致すれば緑内障です。眼圧が高い場合は目の中を流れる房水の出口を観察する隅角検査をします。

緑内障の治療方法

眼圧を下げる治療を行います。
正常眼圧緑内障でも眼圧を治療前の20~30%下げるように点眼薬を組み合わせて使用します。
1剤で十分な眼圧の下降が得られなかったり視野の悪化がある場合は2剤め3剤めと点眼薬を追加して治療します。

多剤を併用しても眼圧が下がらない場合や下がっても視野の悪化を認める場合は、レーザー治療や手術を行うこともあります。

現在使用されている緑内障の治療薬は非常に効果的で大多数の方は点眼薬による治療でフォローアップすることができます。
なるべく早く発見して点眼薬をしっかり使用して一生涯に渡って視神経のダメージを抑えることが大切です。

急性緑内障発作や続発性緑内障の場合は原因疾患の治療を優先して手術やレーザーによる治療で眼圧を下げます。